今日の朝日新聞
福島第一原発事故について、国連科学委員会が報告書案をまとめた。
集団でみた日本国民の総被曝(ひばく)線量(集団線量)は、
甲状腺がチェルノブイリ原発事故の約30分の1、全身は約10分の1と推計した。
個人の被曝線量も推計し、多くが防護剤をのむ基準以下で、
健康影響は「(6千人の甲状腺がんが出た)チェルノブイリとは異なる」
「(がんの発生は少なく)見つけるのが難しいレベル」と結論づけた。
というもの。
これが福島県民を意味するものなのか、もう少し広い範囲を意味するものなのか微妙だ。
少なくとも、被曝による健康被害を検証するのは難しいというもの。
2012年にかけて、関東東部の学校では校庭やグランドの除染が叫ばれていた。
血税を使って表面の土を小削ぎとって、どこかに持っていった。
その土に線量計を向けてほらほら危険な数値だとみんなで大合唱。
ところがその健康被害について誰も言及しなかった。
それどころか、後になって出てくる学説は健康被害には否定的。
そして、今回の報道である。
3.11から2年が経って、線量計片手にウロウロする人はほとんどいなくなった。
放射性物質の半減期から考えて後10年から30年はずっと騒いでいて欲しいものだが。
もう一つ
理数系が苦手な人には難しいかもしれないが
エネルギーというのは正比例ではない。
例えば、有名な速度とエネルギーの関係は速度の二乗に比例する。
また、光や熱エネルギーも距離の二乗で減衰していく。
音量などに使うdBという単位は10のx乗という考え方。
3dBが2倍、20dBが10倍、40dBが100倍となる。
数字の列は不自然だが、実際アンプで音楽を聞きながらdb単位で音量を変えると直感的なのである。
放射線もひとつのエネルギーなので似たようなことが言える。
総被曝量と瞬間被曝量は意味が違うのだ。
一度に大きな被曝をしたほうがダメージが大きい。
同じ量を長い時間かけて被曝するとダメージが少ないそうだ。
広島長崎で実証されていることだという。