土曜日朝日新聞夕刊、昭和史再訪を読む。

中学生の時、初めて金閣寺を見たときは衝撃だった。
高校生の時も修学旅行で再び見ることになった。
大学を卒業して中学の教員になると2年おきぐらいに見ることになる。
私にとっては東京タワーより身近な存在である。
中学生の時、修学旅行の前後に金閣寺が放火で焼けてしまっていたことに驚く。
と、同時になぜ火が放たれたのかとても興味が湧く。
当然のように三島の「金閣寺」を読んだ。
この本は大人になってからも読んだのだが、今ひとつしっくり来ない。
そのわけがこの朝日新聞の記事でわかりかけた気がした。
この犯人は最後の戦前の教育を受けた世代。
そして戦後になり世の中の変化、変貌に…、だそうだ。
実際の犯人は大文字山で自殺していたところを見つかり逮捕。
父親は子供時代に死んでいた。
母親が面会に来たそうだが彼は母親は期待ばかりで私に冷たかった、
と面会を拒否。母親は舞鶴に帰る列車から身を投げて自殺した。
7年の懲役だったが5年で出所。折しも金閣寺再建の年だった。
その半年後に父親と同じ病気で死んだ。
三島の文学よりはるかに波瀾万丈である。
まさに小説より奇。