ようやくレンタルで入手して一度聞いた。
売れたアルバムであり多くのコメントが寄せられているので
ここでどんなことを書いても誰かのトレースになってしまう。
それでも無理やり書かせてもらおうか。
その一
演歌歌手独特の歌い方をできるだけ抑えてサラッと歌っている。
それでも伸ばすところはビブラートよりもコブシに近いものであるが。
ポイントなのはそこではなくもともと歌が上手ということ。
演歌歌手というのは各種のど自慢を総なめにしてプロデビュー。
それでもヒット曲に恵まれるまでは下積みが続く。
基本的に他人の歌がうまく歌えなければ終わりの世界である。
その二
甲高い声でシャウトする90年代からの邦楽にみんな飽きてきている。
その点演歌というのはちょうどいいキーなのである。
聞いていて疲れない。
まあ、私も演歌にそんな評価をする歳になったということか。
その三
選曲がそんな私の年齢をターゲットにしているようである。
70年代後半からのニューミュージック、80年代のR35的な曲など。
どちらかといえば演歌世代ではない人がターゲットだ。
その四
録音がアナログ的。
もちろん最新録音だから音質に問題はない。
ところがいかにも歌謡曲という音である。
角がとれて柔らかい音質。
どちらかといえばナローレンジ。
カーステレオやラジカセでもちゃんと聞けそうな音なのである。
街の喫茶店の古いオーディオでも再生できる音である。
平井堅やミーシャではなく坂本冬美の音なのである。
せっかくのコンセプトアルバムなのでもう少し凝った録音ミキシングでも
良かったのではと思うのは私だけか。