水素水の健康法

イオンカードの請求書と同封されていた広告の中に
『水素水』という商品を見つけた嫁さんが私に見せる。
さすがにイオンの広告で健康効果は書かれていなかった。
多少化学の知識がある人ならなんとなく検討がつくな。
水素は酸素と化合しやすい。つまり酸化しやすい。
ガンや老化の原因は過酸化物資とされているから、こいつを還元できるのなら
大いに効果があることになる。
ところがである。
幾つかポイントを整理してみた。
1. 水素水の水素の溶解度
中学の理科の授業で学習する水の電気分解
陽極から酸素、陰極から水素が1対2の割合で発生する。
違う見かたをすれば水素も酸素も比較的水に溶けにくい。
水素水というけどどれだけ水素が含まれているのか。
2. 水素の還元性
水素で還元するというのは高校化学で学習する。
酸化銅に直接水素ガスを吹き付ける。
ただし、高温の酸化物に有効でも常温ではいかがなものか。
3. 水素水の吸収
水素水を飲むそうだ。
口に入れた瞬間に空気中の酸素、唾液、胃液に触れることになる。
この過程で酸素や酸化物にふれるし、
温度は低いが酵素の働きで還元が促進されるかもしれない。
水に溶けた水素のどの位が血液に吸収されるか。
4. 血液の中で
血液が赤いのはヘモグロビンの色素のせいだ。
これは酸素と一時的に化合して酸素を運搬している。
ここに水素が入っていけば、ここで還元反応が起きることはないのか。
というわけで
どうも水素水の健康効果はかなり怪しい気がする。
抗酸化作用と言われる物質にポリフェノールが有名。
これは自然食品に含まれていて養分として吸収されて、体内で過酸化物と反応するらしい。
複雑な有機物の反応は素人にはわかりにくい。
水素水なら中学で勉強する程度の知識で説明できて、わかりやすい。
しかし、私達の身体はそんなに簡単な無機物の反応で説明できないのが実情。