JR西社長が福知山線事故で起訴

100人以上の命が奪われた事故であるから責任の所在を
追求するというのは正しいと思う。
しかしながら、当事者の死亡した運転手を死亡により不起訴とし
当時の責任者だけを起訴するというのはトカゲのしっぽ切り
のような印象を受けてしまう。
話を聞くと組織的な不具合もあったとのことで、
どこからどこまでが責任の所在があるのか確認しにくい。
また、本件の主題となるATSを装備させる責任があったとするのも
どうも無理がある気もする。
あのカーブで本件のような事故を予見し、ピンポイントで
ATSの装備を指示する責任があったかどうかと考えると疑問だ。
もし、有識者や上司がATSの話をしたにもかかわらず無視した
という事実があるのならそれは問題ではある。
警察も検察も事故や事件を防ぐという考えはなく、何かあってから
誰が悪いのかと考える体質があると思う。(それが仕事なのだが)
制限70のカーブに120km/hでつっこんだという運転士の異常を
予見することは不可能だったと思われる。
事故後、このカーブは制限60になった。
実際に乗車してみると、その手前まで110km/h以上で走行して
このカーブで60まで減速すると徐行のように感じる。
事故を知らない乗客はこんなに速度を遅くしなくても、と思うだろう。
この事故以前だって、制限70で何十年も何万本も列車が
問題なく通過しているわけで、システムに重大な瑕疵があったとは思えない。
運転手の異常行動が99.99%と思っていたのだが…。
最近は事故を起こしたトラックの会社にも責任が問われるご時世ゆえ
この起訴は仕方がないのだろうか。
どちらにしてもこのような不幸な事故が二度と起きないことを願うのみ。
注、文中ATSと表示しているが、厳密にはATS−Pというのが
最新型で今回の起訴のポイントともなっている。