石見銀山にて世界遺産を考察

pasokonryoku2008-07-26

話題の石見銀山を見学する。
萩方面から国道を東進すると小さな看板があり右折を促す。
ところがそこから現地まで何の案内板も無い。
中心地は代官所跡がある大森地区の入り口と思われるが
駐車スペースは20台ぐらいか。
おみやげ食堂が2〜3軒、資料館が一つ、
大森地区という古い町並み(再現?)を散策する。
銀山はここから数キロ山側にあるとのこと。
見学できる坑道はかなり歩くことになる。
途中に裁判所を改装した資料館があり、そこの資料ビデオで
はじめて石見銀山の全容や歴史を知ることになる。
HPで結構調べたのだが、観光ガイド的なHPが多く
石見銀山についての基本的な資料が少ない。
そして、もう一つ気になったのが、観光資源としての価値。
古い町並みも再生したものがほとんど。
肝心の銀山は山とトンネルである。
石見銀山という場所にシンボルが無いのである。
観光地として開発するのが難しい。
世界遺産は銀山そのものではなく石見地区全体だそうである。
平たく言えばその自然や雰囲気を楽しむ場所である。
宮島や日光は立派な仏閣がある。
人工的な建造物が含まれる世界遺産というのは観光客にわかりやすい。
しかし、石見や白神の様な地域全体が世界遺産というのは
物見遊山の観光客にはわかりにくい。
屋久島は地域全体が遺産だが縄文杉というランドマークがあるため
わかりやすくなっているが。
寝耳の世界遺産のため地元も混乱しているようであるが
無駄なお金を投入してつまらない観光地化しないことを願う。
話は変わるが
島根を走っていると、とにかくでかい橋や良い道路が目立つ。
人口に対する公共事業がトップクラス。
県民一人あたりの負債もトップクラスだそうである。
ところが国道を走っていても、観光地への誘導や説明がほとんどない。
立派な道路や橋が観光資源として活用されずに
ひたすら土建屋のためだけというのがいかにもである。
そのくせ何とか資料館や何とかミュージアム等に目を向けると
それはそれは巨大な箱物である。
が、観光客にはそっぽを向いている節がある。
行政も県民もお金を落としてくれる東京の方向しか見ていない。