関門海峡は本州と九州を結ぶ大動脈であるのだが
ここを観光するというのは、よほどの目的がないと機会がない。
空路はもってのほか。
鉄路でも新幹線は新下関から小倉までほとんどトンネル。
普通列車でもトンネルで門司港ではなく少し先の門司に着いてしまう。
高速道路をほ使えば海峡大橋を渡るので少しだけ見ることができるが
大抵の人は時速100キロで素通りしてしまうだろう。
関門トンネルが一番海峡に近いところを通るのだがトンネル前後の
車窓からは海は見えない。
前置きが長くなったがここへは一念発起して行くのである。
私らは猛暑の中、さらに覚悟が必要な散策である。
小倉から一般道で門司に向かう。
道路はずっと片側2車線である。
門司駅から門司港駅は結構離れていた。
とりあえず門司港駅のパーキングにクルマを停めて、散策する。
門司港駅は工事中であった。
観光案内では門司港レトロ地区とのことで。
古い町並み、海、その向こうに下関の街、山、大きな吊り橋といろいろなものが
目に飛び込んでくる。
今回はスルーしてしまったが、鉄道博物館や観光鉄道もある。
街を上げての観光戦略なのだがポイントがはっきりせず
随分小奇麗なレトロでハリボテのような感じだ。
夜は夜景が綺麗なのだそうだが、全て最近の人工物。
どうしても歴史背景を感じられない。
さて、クルマに乗り込み関門トンネルを目指す。
普通車は150円の有料道路。
トンネルを越えると本州山口県だ。
すぐに国道を曲がって関門海峡に向かう。
このへんはすごい山の中。
急な坂道を上り下りすると目の前に海が見えてくる。
海峡大橋の真下が壇ノ浦である。
源平合戦だけでなく幕末の長州藩のすったもんだの舞台にもなっている。
そのモニュメントの大砲の近くでオバハンが紙芝居。
高杉晋作の活躍を伝えたいらしい。
無料でやってくれる。
客は私ら夫婦だけだったが、「ぜひ聞いていらっしゃい」と始めた。
慣れた流暢な紙芝居。
話を聞くと、このへんには幾つもの観光施設はあるのだけど
歴史の宝庫にもかかわらず歴史を伝えるものが極端に少ない、という。
そこでボランティアとして活動をしているのだそうだ。
もう一つ、行きたかったのが関門トンネル人道。
エレベーターで降りて海の下を歩くのだそうだ。
せっかく下関に来たのだからふぐを食べようとパーキングで唐揚げを食す。