ATCを積んでいる関東の鉄道では珍しい事故である。普通に運転していれば駅間で90km/h、ホーム進入時70km/hくらいが一般的。よほど見通しがいい場所で無い限り運転手の視界で障害物を見てからのブレーキでは間に合わないし、今回も接触した。関東の都心に向かう鉄道はほとんどが3分ヘッド、それ以下なので運転手の腕だけでは過密ダイヤはこなせない。たいていがATCを積んで秒単位の制御をしている。目的は先行列車にぶつからないこと。
ここでよく聞く言葉が閉塞区間。ブロック区間に先行列車がいれば後ろの列車はそこに入れない、つまり信号は赤になる。今回の事故では回送列車は緊急停止、実はこれもATCが速度超過で作動した。そして問題なのはぶつかってきた旅客列車の信号が青だったことが今回問題になっていた。また原因もそれだと。
ATCの故障ではなく設定の間違い。私にはどんな設定かはわからないが、問題点はわかる。本線からポイントで引込線に入った回送列車が止まってしまう。確かにぶつかったのだがこすった程度である。停止位置はほとんど引込線に入っていた。つまり最後尾の台車はポイントを通過していた。するとATCは通過したと感知しポイントを本線側に戻して旅客列車を通そうとした。ポイントは通過しているし本線上閉塞には列車はいなかったことになる。あと1m先にいたら事故は回避できたくらいのギリギリのぶつかり方だった。
これは原始的鉄道模型をいじったことがあるとなんとなくわかる。ポイントは左側の線路と右側の線路がぶつかるところがある。鉄道模型は片側に+、片側に-の電流を流すのでポイントではショートしてしまう。そこでポイント内に絶縁区間を作らなければいけない。これに失敗するとポイント内で立ち往生するかショートして全線で動かなくなる。線路を使ってATC信号をやり取りすると考えれば、会社の説明の通りポイント前後やポイント内で信号のやり取りをどう設定するかが大切。
実際、今回はポイント内でぶつかってしまったわけで。
あくまでも私の推理で、間違いは調査結果の発表で修正します。