
水木は妖怪漫画の第一人者だが大戦時には兵役でひどい目にあっていてどこかに平和祈念の気持ちがある。これは昭和前期に活躍した芸術家共通の認識でもある。そして、彼らの平和祈念のやり方は見せかけの綺麗事の平和ではなく人間のドロドロした争いから平和の尊さを説くという手法。横溝にしても山崎豊子にしてもほとんどの作品にこのテーマがある。また戦後20年くらいまでは世の中もそういう時代だったのかもしれない。私は物心がついたのは昭和40年代。世の中は戦後という感じはなく学生紛争や歩行者天国や万博や高層ビルができ始めるという時代で戦争の暗い雰囲気は両親の思い出話のみだった。幼児だった頃、零戦パイロットのアニメが人気があってそのキャラクターのおもちゃがあった記憶があるがそれが何だったかわからない。
ゲゲゲと言いつつも中身は横溝の小説のようだった。テレビで放送したのを見たがすでに配信されているそうで。妖怪が次々に出てきて悪さをするというのではなく、犬神家のように遺産相続を巡って殺人事件という意表を突くストーリーだった。鬼太郎よりも人間の愚かさが全面に出ていた。赤ちゃんが生まれたところからの方が鬼太郎ファンには興味があったと思うが、誕生したところで終わってしまった。
画質も音質も平均的なもので日本アカデミー賞というほどのものでもないかと。