長嶋茂雄


昨日から今日にかけて長嶋茂雄ニュース一色である。大スターの死、本来はそういう放送をしてほしいのだけどちょっとちがう。昨日の夕刻TBSを見ていたがゴゴスマで使っていた映像とその後のニュースで使っていた映像は同一のもの。それも私が生まれる前の天覧試合と引退式と監督時代の胴上げのシーンと病気になってからの始球式と、まあほとんどの局がそんな感じの映像を垂れ流している。今更著作権の問題もないはずなんだけど全部同じ。理由は簡単で今テレビ局にいる人平均年齢30代から40代の人たちは長嶋茂雄を知らないのだよね。歴史上の人物、つまり作りて側もこんな映像しか見せられていないのだろう。「なんかすごい人」というイメージで放送している。74年に引退しているので現役を見て知っている人は60歳以上かな。
私が小学生低学年の頃父親に連れられて後楽園球場へ。誰にもらったか知らないが3塁側のけっこう前の方の席。当時は野球は人気スポーツだったから低学年でもルールも選手もわかっていて普通に楽しめる。その時守備位置についた長嶋が私の眼の前にいた。ただ構えているだけだがとにかくかっこよかったのである。「かっこいい」は人でも飛行機でもクルマでも最上級の褒め言葉だ。
さて、アホなテレビで曲がった長嶋茂雄像を見せられるのも癪なのでサブスクのアニメにあった新巨人の星をずっと見ていた。私ら世代は「巨人の星」と「あしたのジョー」は教科書のようなもので全員が読んでいたはず?! だが、新巨人の星はさらに面白かった。巨人の星が巨人V9時代の栄光の時代に対して新巨人の星は長嶋引退から監督1年目に最下位を経験するというところから始まる。まさに長嶋茂雄のための漫画でもあった。もちろん巨人の星の完全な続編で予習しないと面白さが伝わらないが。
長嶋茂雄は大スターではあるが、天才ではなく苦労した人であることを知らなければならない。アホのテレビマンがやっつけで作った長嶋茂雄の映像はそう考えるととてもひどい出来である。