「闇バイト」強盗事件 千葉・八千代の実行役・岸本蘭丸容疑者は別事件の容疑者のスマホ解析から特定
というYahooニュース。
Yahooニュースだけでなく、すべてのニュースでトップ扱いで報道されている。
闇バイトだとか、狙われている民家は「闇名簿」があるとか、闇だらけである。
このニュースを見てまず思うのが日本では長らくなかった事件だということ。もちろん小さい事件はちょいちょいあるし連続ひったくり何ていうのもニュースになったことがあった。こそ泥やひったくりやコンビニ強盗などはほとんどが単発的ですぐに足がついて捕まる。
この過去の事例と異なるのが、かなり幼稚ではあるが組織犯罪であること。どうせこんな雑なやり方では、もしくは年寄が住む民家では、大したお金は取れないしすぐに捕まる。なのに組織的に、実は当日急遽集められたグループだが、強盗をすることが新しい。
実は外国ではよくあることで、中南米やアフリカ、先進国の移民区域などの監視カメラでコンビニや小さなお店の強盗をよく見る。もちろん彼らはほんの数千円でもお金が欲しいという超貧困層。よくある「デモが暴徒化して」とお店を集団で襲うというのも結局そのデモが反政府、人種差別などのイデオロギーではなく貧困層のストレスのはけ口になっていることの裏返しである。日本ではデモが暴徒化すると言っても窃盗などはしない。それも1970年以前の話だ。成田闘争は80年代まで続いたが。
日本の貧困はここまで来たということだ。
もう一つには、以前にもここで書いたが高度成長期であっても平均的な家庭はちっとも豊かではなかった。それでも商品強奪のようなデモも起きないし数千円数万円のための強盗事件もないわけではないが、珍しいことではあった。
同じ貧困なのに、どうして日本だけは強盗強奪が起きないのか。逆にどうして今、闇バイトとして強盗や特殊詐欺が起きるようになったのか。私の考えではあるが、同じ貧困でも育った環境が違う。その環境で昔と今で違うものといえば教育だろうな。昭和終わりから平成にかけて教育は大きく変わった。今、闇バイトの主導役になっているのが40代前半。逆算していくと2000年に20歳、つまり1980年代に生まれたことになる。すると学校に行っていた期間は小学校がバブル期、中学高校が90年代中期以降となる。おわかりのように学校が大きく変わった時期である。体罰禁止から始まった昭和の教育を大改革、ゆとりだとか学校評価だとか教員の仕事が増えて威厳が減った時代である。さらにバブルが弾けて失われた時代が始まると富の集中が強くなり貧困層が増えた。
そして、平気で闇バイトに応募するような20代30代の人の子供時代は、さらに学校が悪くなり「先生の教え方が悪い」といえる時代の子どもたちである。街には肩で風切る暴力団もいないし、親も先生も怖くない。それでもすくすく育つ子どもはいいが、貧困層の一部は自動的に悪い方へとかじを取る。それを止めるべき社会の力を取ってしまったからだ。
おかげで我慢強い子どもがどんどん減って、会社をすぐ辞める。仕事を探さず無職で。家から出ない。という若者、中年を増産してしまった。貧困でも家で勉強できるとWIFI付きのPCを子どもに配ってなんとかなると思っている政治家と役人。なんとかなるのは頭の良い集団と富裕層だけ。そうでない悪い人たちはその知識を特殊詐欺や闇バイトに使ってしまっている。