趣味は暇つぶし

先日、勤務時間終了後に「部署の会議をやる」と言われた。1時間我慢していたのち「すみません、帰ります」と退席。数日後、所長に呼ばれてお小言、「年度初めはどうしてもこんな感じになってしまう」
それより、部署の主任が「勤務時間外だからと帰ってしまう」と所長に私の文句を言ったらしい。まあ、気持ちはわかるけど。この時代だし。堂々と時間外を推奨するのはねえ。ちなみに手当などつかない。100%サービスである。
とんでもないブラックな営業所に飛ばされてしまったらしい。

私の隣のデスクに座っている若くない女性。いつも仕事を教えてもらっている。
「うちの嫁さんはガーデニングが趣味なんですよ」という話に。「私もすきですよ」と会話になったところで「でもねえ、仕事が忙しくてそんな暇はないわ」と会話が打ち切られた。どうやら職場の人たちは趣味は暇な時にやるものらしい。つまり暇つぶしと趣味が同じものということだ。以前の職場の管理職も「仕事一筋でこれといった趣味などないなあ」と自慢げに言っていたのを思い出す。
こういう人種は60すぎると再雇用制度などをフル活用、ヒラでもいいからと熱心に働き続ける。そして運命の65歳、会社を放り出されて我に返る。仕事以外にやることもできることもない。機械関係や製造や医療などの仕事であればその技術や知識を活かせる生き方もあるだろうが、会社独自のマニュアルでの仕事しかできない人は、会社がなくなればただの人だ。そもそも趣味を暇つぶしなどと罵ってきた罪は重い。
せいぜい孫の世話や送迎をして息子の嫁にありがたがられる程度しか生きる道はないね。ブラック企業はこういう老人を量産してしまう。

とは言ってもやはり仕事に身を投じる人の方がスキルは上がるし出世もしやすい。私のような非正規雇用みたいな立場と比べれば収入は全然違う。趣味がないという彼らを憐れむのは負け犬の遠吠えだな。