トヨタ・ミライ試乗


世界的にガソリンエンジンを排除しようという動きがある。
CO2排出を減らそうとするごくごく普通の考え方なんだけど。
日本では2000年頃にはプリウスが発売され現在ではかなりの割合でHVが売れているとのこと。おかげでガソリンの消費量は減り続け、ガソリンスタンドが次々に潰れていったのはいつの頃からだったか。
さらに日本では人口が減っていて、若い人を中心にクルマ離れ、今更政府主導で電動化水素化を推進する大義が薄れてきているような気がする。
それでもニュースなどで世界でのガソリン車排除の話題は尽きない。
そんな中、近くのトヨタでそういうクルマの試乗会が行われた。
実はカローラクロスの試乗が目的だったのだけど肝心のカローラクロスの試乗車がなかった。
営業マンはトヨタ・ミライの試乗を勧めてきた。ミライは去年フルモデルチェンジしている。が、あまり興味のないクルマだった。そもそもこれまでに環境にいいなんてものでいい思いをしたことがない。「環境に良い」はイコール「少しは我慢する」である。
さて実車、でかい。大きさも豪華さも価格もベンツやレクサスである。ドアを開けて乗り込むとき頭を軽くぶつけた。最近のクルマは室内の広さが大切な指標ゆえ天井高も当然余裕がある。ところがミライはミニマム、シートポジションも低くもう少し全幅が抑えられていたらスポーツカーのような感じ。低重心と空力をデザインで体現している。実はトヨタは本気なんだと感じた。
スタートボタンを押してもエンジンはないから音も振動もしない。アクセルを踏むとEVよろしく静かに走り出す。広い道路に出て加速を試す。えっ?! 良い加速なのである。たとえは悪いがノーマルのEVにターボがついているような、後ろから押されるように加速する。
さらに広く交通量の少ない道に出てフル加速、よくわからないのだけどトルクが落ちることなくひたすら背中を押される加速を続ける。おまわりさんに怒られない程度に加速はやめたけど、これはただものではない。遅いクルマが割り込んできたり横から飛び出されたりで強めのブレーキ、このフィーリングもかなりいい。多分回生機能など入っていると思うがフィーリングはブレンボである。
タイトコーナーでフルブレーキ、コーナリング。ロールは抑えられていてリアタイヤもきっちり踏ん張っている。安心してコーナーに突っ込める。
ただのEV、燃料電池車ではない、スポーツに極めて近い動力性能運動性能を持っていた。
ものすごく小さい弱点だが、高い動力性能運動性能と思いボデイにタイヤのグリップはちょいときついコーナリングでギリギリだった。シャーシもしっかりしているようなのでもう少し飛ばしたいのならワンサイズ上のタイヤが必要だ。ちなみにノーマルは235/55/19、RVのようなでかいタイヤが付いていた。