令和元年台風

この画像は2019年9月9日のもの。

関東地方直撃のひどい台風だった。
我が家は台風のおかげで屋上の防水が切れていることがわかり雨漏りが発覚、修理することになった。
調べるとこの年は2つの台風が関東直撃していて、9月の15号は房総半島台風、10月の19号は東日本台風と命名された。台風の命名は昭和52年以来という。
テレビでは10月12日に振り返るコーナーが各所にあったが、慰霊祭などの映像が主で科学的社会的な台風の検証がなかった。
wikiをみると直撃を受けた関東では、冠水程度の被害は多かったが人命や家屋を失うようような水害はなかったとされる。治水の勝利と書いてあった。
一つはダムの存在、一つは河川に増設されているスーパー堤防、一つは河川の地下にある水路である。
これらがトータルで数千万人の首都圏を守ったとある。
我が家の隣の町内に昭和まではよく氾濫する幅10mほどの水路のような川がある。昭和の終わり頃地下放水路を建設してから氾濫しなくなった。こちらも治水の勝利である。

もう一つ
新首相が東北被災地訪問というニュース。
何の被災なのか、どこなのか、日本は毎年のように天変地異に被災していてちゃんと見ないとわからない。どうやら10年前の地震の被災地ということらしい。被災地行脚というのなら八戸から九十九里浜まで10日かけて視察してほしいところだが、もちろん新首相にそんな気も時間もない。早い話がパフォーマンスだけなんだよね。そう言えば東京五輪も「復興五輪」などとパフォーマンスしようとしていたがコロナでそれどころじゃなくなった。人の不幸を自分の利益のためのパフォーマンスで使うというあの態度姿勢に猛烈な嫌悪感を覚える。

もう一つ
TBSドラマ「日本沈没」、初回は15%超えといういい数字だった。
ネットニュースでは以前のドラマ化も阪神地震の10年後だったとか。このくらいのタイミングでこのドラマをみるのが丁度いいということか。さらに、放送直前に関東地震が発生、フィクションと現実の中間くらいの感覚で視聴できるというのもプラスにはたらいた。
原作は1960年代小松左京、当時プレートテクトニクスという理論が主流となった頃、彼はそれをヒントに執筆したとされる。今になっても通用するストーリー、とんでもない本を書いたものである。
ちなみに小松左京が描いた関東大震災は死者300万とある。古くから言われている火災、ビルからのガラスの落下、鉄道道路での事故、津波による低地の水没というストーリーだった。
ところがである。阪神地震以来建物や建具の強度は飛躍的に上がり、家具の転倒などで死亡負傷する人がいるにしても火災や倒壊で死亡する人はそれほど多くない。交通インフラも地震に弱いとされているが弱いからこそすぐに運転取りやめで被害は最小に、台風の項目でも書いたが津波が起きたにしても東北の広い地域であの程度と考えると関東の水害の対策から逆算して10年前を超えることはなかろう。
東京湾の形、湾岸地域の高層建築などが津波を抑えてくれる予測もあり10m程度の津波が発生したと想定しても死者は3万人程度で収まるのではないか。50年前の小松の想定の1%である。都市は確実に防災面でも進化していると思いたい。