「お金の若者離れ」

「若者の車離れ」「若者の旅行離れ」など「若者の○○離れ」という言葉は
若者の意識の低下のせいではなく「お金の若者離れ」が根源にあるのではないか。
というコラム。
国税庁の給与調査では20代前半の平均給与は282万と出ている。
給与12ヶ月にボーナス5ヶ月とすれば月給は16.6万円。
手取りは13万弱か。
ちなみに私が大卒で地方公務員になったとき、手取りは11万ぐらい。
30年以上経ってもバブルの前と大差ないことになる。
若者にクルマを買え、旅行しろというのは酷な話だ。
私は30まで実家で生活していたからアパート暮らしよりは多少余裕があった。
携帯電話のない昭和のあの頃でも若者の給料はギリギリだった。
それが、適度に物価が上がっている現在、昭和の給与水準では流石にきついよな。
月1万円弱のスマホに夢中になるのはわかる。
東京近郊でクルマを持つなんてとんでもない。
その原因は今の70代以上の人たち。
年金にしろ若者を食い物にしている。
若い頃は貧乏して、なんていうのはそれこそ寅さんの時代まで。
高度成長期など夢の夢。給料が上がっていくかどうか保証はなくなった。
それなのに、バブル以降も給料上げろと叫び続けた。
その反動が若者に降りかかる。
80歳ぐらいの人たち。
公務員や大企業退職者は毎月20万円の年金をもらっている。
夫婦なら40万円近い。
ちょっとでも年金が下がる、医療費が上がるというと大ブーイング。
でもね、当然の権利としてもらっているその年金も年収200万300万の人たちから
吸い上げたおカネなんだよ。
もう1つ
当然の権利ということで、60歳定年で退職金をそれなりに貰ったあとも
再雇用制度で65歳まではたらく人は多い。
私から見ると涙ぐましいほどに一所懸命働いている。
それとは別に、あなたがその席に座っていることで
本来その席に座るはずの20代の若い人たちが追い出されている。
それぞれの生活があり人生があるわけで、働かなければと思っているだろうけど。
若い人たちを踏み台にして、自分の権利だけを押し通すのもなんだかなあ。
若者の貧困問題と高齢化問題は表裏一体なんだな。
年長者は若者に教育の場や働く場を与えるべきなのに
逆におカネや仕事をぶんどっている気がする。
そんなことはない、という人。
あなたが仕事をしているオフィスビルや庁舎と
近くにある公立学校の校舎と比べてみるといい。
本来子供や若者に使うはずのおカネを大人たちがぶんどっていることがよくわかる。