ヒトラー最期の12日間、映画評

これまた、155分の大作である。
2004年公開、2005年DVDということで、今さらなんだけど。
最期ということなので舞台は本部の地下室、
その狭い空間での人間模様ということが中心。
さらにベルリンにソ連軍が侵攻してきて兵士も市民も逃げ惑うシーンが追加。
旧日本軍と一緒で全滅するまで攻め続けろ、という命令しか出さない。
ヒトラーの傲慢さがなければヨーロッパの戦況は変わっていたかもしれない。
原作は秘書になった女性の手記ということなので
ある意味、史実に忠実なストーリーなのかもしれない。
原題名Der Untergang、ドイツ語で「失脚」「没落」の意
これだけで、ヒトラーの話とは日本人はピンとこないね。
長いしつまらなければ途中でやめようと思っていたが最後まで観た。
けっこう面白かった。
もう1つ
『知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代』(田坂広志著、光文社刊)
の書評のネットニュース。
「知能」とは、「答えの有る問」に対して、早く正しいことを見出す能力。
「知性」とは、「答えの無い問い」に対して、その問いを、問い続ける能力だとしている。
現在の教育で身につくのは、まさしく「知能」だ。しかし、社会に出れば「答えのない問い」に出遭うことの方が圧倒的に多い。
私も含めて知性を感じる40代50代が少ないよな。
基本的に保身のための答えしか持たない。
酒を飲んでも8割以上仕事の話しかしない。
答えのない問い、というのは未来のことなんだな。
年をとって未来が減ってくると過去の事例だけで生きていけるからかな。
私のようにたいした努力もしてこなかったおっさんには有用な過去の事例も少ないし。
すっかり暗くなった。