有機肥料としてJAが販売もしていた肥料が偽装されていたというニュース。
多くの農産物が、というのだけど、どんな被害があるのだろうか。
ちよいと分析してみた。
まず、犯人の太平物産
匂いが発生するなどの問題が出たため、一部を化学肥料に置き換えたという。
そもそも有機肥料とは古くは肥溜めである。
糞尿を一定期間放置しておき発酵させて肥料とした。
今時、人糞は使わないがちょいと郊外に行くと牛糞か馬糞とわらを混ぜたものを
畑の隅に積んで発酵させる。
これが風にのって近隣の住宅地では大迷惑である。
ここからが問題である。
それを工場で臭わない有機肥料として大量生産している。
それを使って有機栽培としているのだそうだ。
農家にとってみると、有機栽培か否かは肥料の袋に「有機肥料」と書いてあるか否かの違いでしかない。
肥料の袋に「有機肥料」と書いてあるから、その農作物は「有機栽培」となる。
それを消費者は「有機栽培」とありがたがって高いカネを払って食す。
この袋の表示だけがたよりの有機栽培というのに、危うさを感じる。
さらに、科学的に言えば
化学肥料、化成肥料は本来植物が根から吸収する無機養分を化学的に作ったものだ。
その化学的成分は上記の昔からある糞尿などから作られる肥料を分析、化学的合成したもの。
植物は糞尿か化成肥料かは関係なく吸収して、光合成して成長するわけで。
化成肥料が良くないというのは、植物に対してというより土壌の劣化という。
劣化した土壌では生産される農作物のデキや栄養価にも影響する。
だから有機栽培がありがたがる傾向になったわけだ。
しかしながら、実験農場のような全くのイコールコンディションで実験栽培すれば
有機農法と化成肥料とでは違いが生じるだろうけど
実際の農作物で違いを実感したり、栄養価の偏りがそれほど顕著に出るものだろうか。
健康志向のお金持ちは有機農法をやたらありがたがっているが、
農薬まみれの中国産の冷凍野菜をそっと出してもわかる奴はいないし
極端に中国産野菜だけを食べないかぎり寿命にもたいした影響はなかろう。
もう一度言うが、肥料の袋に「有機肥料」と書いてあるから有機栽培の野菜だと
売るほうが問題だと思っている。