子供のボールと親の責任

このところのニュースで再高裁判決がおおいに話題になっている。
子供が起こした事件事故に対して親が責任をどこまでとるのか。
この裁判の事例は本当に残念なことである。
死んだおじいさんも可愛そうだし、ボールを蹴った少年親子も不幸なことであった。
さて、私が気になったのは責任云々ではなく、裁判そのものだ。
事件を読み解くと興味深い。
まず、誰もが気になるのがボールではなくおじいさんの方だ。
当時85歳でバイクに乗っていたというのである。それも自動二輪
免許がある以上法に抵触するわけではないが、やはり異常な状況といえる。
その証拠にボールを避けるのに転倒、最終的に死んだ。
裁判では転倒と死亡との因果関係はあると判断されているそうだが
85歳のじいさんにバイクを乗らせていた遺族の因果関係はいかがなものだろうか。
その流れとしてボールを蹴った子供に1千万円以上の賠償金を請求している。
ボールが散歩中のじいさんの頭を直撃して死に至らしめた、というのならわかるが、
バイクでコケて1年半後に死亡というのであれば、普通なら医療費の請求程度でいいのではないか。
怪我をしてからの医療費のことも賠償と言うのだろうか。
記事を色々読んだけど内訳は記載がない。
みんながわかっていて私だけわかっていないのかな。
実はこのニュースの論点がおかしくて
100%親が責任を負うのか、0%なのか、という話になっている。
故意なのか事故なのかは別にして、子供の不始末を親が責任を負うと言うのはしかたがないことだ。
過失度合いを勘案した上である程度、もしくは請求額に応じるのはしかたがないか。
今回の事例は上記のようにあまりにも特殊でこれまでの判例とは違う結果になった。
85歳のバイクはやっぱりダメだよ。