職人の手

先日、何日間かリフォーム工事で様々な職人が我が家に来た。
私はプロの作業するところを見るのが好きだ。
自動車の点検修理でもできるだけ近くで見せてもらうことにしている。
カーナビなどの取り付けでダッシュボードを外すなど素人には驚きである。
なんたってネジがない。
モデラーでもある私がおおっ、というのは、左官屋さん。
どうしてセメントをあんなにきれいな面にできるのか不思議でしょうがない。
先日は壁紙屋さん。
下地の合板の継ぎ目や釘のくぼみをパテで埋めるのだけどこれがすごい。
私のプラモデルのパテのクオリティの低さとは正反対だ。
さらに、気になったのが壁紙の合わせ目。
両側の壁紙が重なるように貼って、カッターでスパッと切る。
その手つきを見ていると、カッターの刃をかなり頻繁に折るのである。
多分3mとか切った後に、片手でバチンと刃を折る。
よく考えたら、カッターの刃などそんなに高価なものではない。
大事な仕事の時はこのくらい神経質になる必要があるのか。
私など同じ刃を半年ぐらい使うなんていうのは邪道だな。
リフォーム工事が終わった後、手元や道具箱のカッターの刃を全部折った。
もう一つ。
水回りの工事で70すぎのおじいさんの職人。
大丈夫かなあ、と思ったのが間違い。
大物の取り付けなど手際が良い。
その手を見ると親指の爪から血が出ている。
よくよく見ると爪が少し浮いている。
何かに引っ掛けてはがしかけてしまったのだろう。
痛いはずなのに何くわぬ顔で作業を続ける。
このおじいさん職人のすごいのが人差し指。
水回りのコーキングをするときにコーキング材を隙間にチューと出すと
人差し指をぺろっと舐めて指一本できれいにコーキングを仕上げるのである。
その職人芸をガン見してしまった。