土星の衛星に熱水を確認

生命がいるか、と話題になっている。
私なりに考えてみた。
その1 水が水であるための条件
簡単に水がある、などと言うのだけど
実は水が水であるというのはとてもめずらしいことなのだ。
例えば、地球上。
1気圧では0度から100度までが水(液体)である。
実際に地球の表面は南極が-30度ぐらい、砂漠地帯で40度ぐらいだろうか。
したがって極地の0度以下の地域では水は氷になってしまう。
それ以外の地域は見事に水なのである。
月ではどうか。
太陽の当たっている地表は100度ぐらい、当たっていない地表は-80度ぐらいだという。
例え1気圧としても水は液体ではいられないね。
私達の熱エネルギーのもとは99%太陽エネルギーだ。
火星あたりでは太陽に当たっている部分でも0度に届くかどうか。
金星の表面は300度くらいらしい。
すでに、100度を超えてしまう。
水が水でいられる条件はものすごく狭い範囲なのである。
その2 気圧
化学の授業で蒸気圧曲線を習う。
水の沸点は100度だがそれは1気圧での話。
0.5気圧では50度ちょっとになってしまう。
山の上で飯盒炊さんしても美味しくない理由だ。
気圧が下がると水面をおさえる力が弱くなり水分子は飛び出しやすくなる。
月は大気がないのは大気をつなぎとめておくだけの引力がないから。
お陰で水があったにしてもみんな宇宙空間に分子となって飛んでいってしまう。
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つまり、このニュースのポイントは液体の水があるということ。
この衛星には大気はないとすれば、水のある空間は密閉されていて
ある程度の気圧が存在することになる。
実際にニュースを見ると厚い氷に覆われていてその下に水がある。
太陽エネルギーはあてにならないが、地熱によって加熱されているのだろう。
さらに、
その3 真空中で氷なら
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これが水の圧力と温度との関係を示したもの。
圧力を0.01気圧程度にすると液体の水は存在できなくなる。
温度がちょっとでも高ければ気体、それ以下なら固体となる。
水分子は質量があるものなので、惑星や衛星に引き寄せられることは考えられる。
衛星が氷で覆われているのも、土星の輪が氷のかけらなのも説明がつく。