小保方晴子氏の博士号取り消しが決定

なんともやるせないニュースである。
この際、小保方がどんな悪いことをしたかはどうでもいい。
小保方を容認して、いいように利用してきた大人たちがそれなりにいる。
私は大卒だが、この場合『学士』というのがもらえるらしい。
二昔前の理系の大学は古きよき時代の最後の方。
早い話が厳しかったのである。
悪いのは片っ端から落第させる『鬼の○○』と呼ばれる教授がいた。
点数が足りなければ単位はやらん、とよく言われたものだ。
私のような出来損ないの落ちこぼれは単位を取るのに必死であった。
ところが今の時代は、一部の上級校以外はほぼ無試験で入れるそうだし
とんでもない学力でも卒業できるみたいだ。
(私は他人を批判できる立場ではないが)
それでも、さすがに大学院、修士課程ではそれなりに選抜された人が残る。
卒業で『修士』だが、たいていはそのまま研究をつづけて『博士』となる。
このへんのレベルになると、一般的な判断基準で決めるのは難しい。
たとえ同じ学部であっても、研究室、すなわち教授の専門テーマが多々あって
専門外の他の研究について評価するのは大変むずかしい。
修士にしても博士にしても、直属の教授の意思で決まってしまう部分は大きい。
さらに、論文とは言ってもこの時代に1人の20代の研究者が発見をするというのも難しい。
結局、教授の下で研究を手伝い、知識と技術を身につけながら論文を書く。
もちろんいろいろな要項を満たさなければならないが
最終的に内容の判断ができるのは直属の教授が中心になる。
ちゃんとまじめに指示、指導にしたがって研究したものには『博士号』をやりたくなる。
という、話を踏まえて
今回のニュースはそれを全否定するものなわけで。
本来なら大学が突っぱねるべきことなのに、マスコミが誘導した世論に負けて
全否定してしまった。
これは小保方の問題はすでに離れて大学の問題である。
これまでの博士号をすべて見なおして、怪しいものは取り消すことになる。
というのは、大義名分。
世間が興味あるのは小保方だけ。
早稲田の博士号のシステムには誰も興味が無い。
魔女狩りよろしく、小保方だけ取り消せば世間は満足して、人々はすぐに忘れてしまう。
という意味で、やるせない気持ちになったニュースである。
どうせなら
20代後半の大卒の人間を捕まえては、卒業学科の簡単なテストをして
本当に単位を取って卒業したのかと、本人と大学に問い合わせればよい。
今の日本の大学制度は崩壊するだろうな。