昨日は嫁さんの同級生が3人訪ねてくる。
BBQの予定だったがニュースでもご存知のように雨降りである。
普段はクルマを2台置いている大屋根が役に立つ。
というわけで、BBQ開始。
3時間ほどお肉やサンマやイカを焼いたあと、リビングで古い話をしていた。
その中で
クエン酸リンスという話を聞いた。
クエン酸とは食用の酸の代表。
レモンや梅干しの酸っぱさの成分である。
また、生物の授業で習う『クエン酸回路』でも有名なように
細胞の中では生体エネルギーであるATP生産にも一役買っている。
というわけで、健康食品としても度々取り上げられることは理解していたが。
クエン酸リンスのポイントは洗髪にある。
自然志向のナチュラルな石鹸で洗髪するそうだ。
現在市販されている石鹸、洗剤の大半は合成洗剤といってpHが中性に極めて近い。
したがって肌にも優しいのというのが売りなわけだ。
化学の授業で習う石鹸(セッケン)は、油脂に水酸化ナトリウムを反応させることで
けん化という反応が起きて、セッケンができると習う。
中性洗剤にたいしてナトリウムセッケンといって、水に溶かすと塩基性を示す。
この塩基性、アルカリ性が皮膚がごわごわになるとかガサガサになるというので
いろいろな石鹸やシャンプーが開発されてきたわけだが。
自然派の人は環境負荷の小さいナチュラル素材のセッケンで洗うのだそうだ。
ところが、それでは髪がごわごわになる。
それで、クエン酸をリンス代わりにつけることで、アルカリ性が中和されて髪がサラサラになるという。
話だけ聞くと、科学的に理にかなっているようにも感じる。
だから、それを実践する人も少なからずいるというわけなのだが。
素朴な疑問が浮かぶ。
1.毎日、髪の毛を塩基性でゴワゴワにして酸性に浸すという理科の実験のような環境にさらしていいのか。
2.クエン酸自体も弱酸ではあるがそこそこ低いpHである。
最後に酸性にした状態で終わらせていいのか。
3.セッケンで洗うとアルカリ性でゴワゴワになるということなら、ちゃんとすすげばアルカリ性はとれる。
なぜならたいていの塩基は水溶性だし肝心のセッケンも水溶性だ。
つまり、よくすすいでもゴワゴワというのはアルカリ性のせいではない気がする。
なのに、クエン酸をつければ髪の毛はひたすら酸性に傾く。
ところが、それが髪の毛にとっては良いということだとすれば、塩基で洗うことはとても悪いことになる。
−−などと、楽しいBBQで科学的な考察をしていたもので
いつものように嫌われた。