このシリーズは300万円以下、現行車種であること。が条件である。
さて
フィアット500である。
ビートルもゴルフも3ナンバーの立派なクルマになってしまった。
長いこと同じ車名で5ナンバーで収まっているのは500とカローラくらいである。
500はビートル同様、アイデンティを残しながら現代風に復活した。
初代の500など軽自動車より小さい。
よくぞイタリア人が乗れたものである。
500は大きく分けて2グレードあり、スタンダードとツインエアだ。
ツインエアのほうがエンジンが小さくて値段が高い。
500はつねに大きいほうが偉いという考えのアンチテーゼなのである。
当然、車内はミニマムだし2ドアは使いにくい。
ところが、実際運転してみると新開発のターボエンジンはよく回るし
軽くて身軽のせいかよく曲がる。
峠路でも楽しいし、シティコミューターとしてもベストサイズ、ベスト性能である。
日本ではスターレット、シャレード、ジャスティ、同じ時代のマーチ、などがライバル。
今は1000ccのヴィッツだって1690幅のフルサイズになってしまって中も広々。
500のライバルは日本にはいないのである。
ところが、売れないのだからしかたがない。
日本人はワンルームアパートを選ぶかのように軽自動車までも
『広くていいわ』という基準でクルマを買うのだからどうしようもない。
外から見ても、運転しても『楽しい』と思わせるクルマがいいのになあ。
「クルマは生活の道具だから」と私に説教する人もいるのだけど
そういう人が、高価なカーナビやアルミホイール、エアロとオプションを何十万も付け加えて
さらに車内に意味のないアクセサリーを沢山つけたりする。
500は余計なオプション無しでも十分キュートである。
もう一つ
そんなことを言うけど、家族4人でこんな小さい車で旅行に行けるのか。
と、よく言われるが。
毎月のように旅行に行くというのなら、それはそれ、そういうクルマを購入すべき。
でもね、ほとんどがお母さんの買い物とお父さんや子供の駅までの送迎という一般的な使い方で
本当に人も荷物もたっぷり積めるミニバンが必要なのか。
普段は小さいクルマで省エネで動いて
旅行の時は最寄りのレンタカーで一日1万円くらいで借りればいい。
ノア・ボクシーでも300万円する時代だ。
年間4回の家族ドライブ。
2泊3日の4回で12日、12万円でミニバンの仕事は済む。
普段は500でおしゃれにキビキビ走るほうが余程スマートだろう。