私がスポーツを買おうとする時、必ず候補にあがるクルマである。
初代のリトラクタブルライトに試乗した時の感動は忘れない。
試乗車に乗って、店の駐車場から道路に右折で出るときにリアが少しスライドした。
エンジンは非力だったが軽量ボディのハンドリングは楽しい。
試乗して5分後にはカウンターを当てるくらい楽しめた。
リトラクタブルライトとかツーシーターとかオープンボディとかもうどうでも良くなった。
とにかく、楽しいのである。
似たような経験をもうひとつしたことがある。
それは、やはりあの名車、スズキカプチーノに試乗した時。
こちらはさらに非力な軽自動車だからと、ちょいとふかしてクラッチミートすると
リアがスキールしながらちょいと流れた。
あとは、ひたすらアクセルを踏み続けた。
たいしたエンジンパワーもないのにこれだけ楽しめるというのは数少ない。
まあ、時代なんだろうね。
こういうオーバーステアを起こしやすいクルマを危険だというばか者がいるんだ。
カプチーノはすぐに消滅。
ロードスターはモデルチェンジをするたびに大きく、乗り心地が良くなり
楽しかったオーバーステアも試乗レベルでは発現しなくなった。
さらに、代を重ねるごとに乗り心地も重厚、ボディ剛性アップの代償にノーズの軽さも影を潜めた。
ボディ剛性が上がりでタイヤがグリップするというのは正常進化なんだけどな。
次のモデルではダウンサイジングが行われると聞いているが
今のマツダのアイデンティの大きく口を開けたグリルになるらしい。
ロードスターに大きなグリルは似合わないね。
と、さんざん悪口を書いたが、2Lのエンジンに軽快感がない以外はやはりスポーツである。
ハンドルを切った時に即座に身体がコーナーのインに向けられる感覚は楽しい。
トルクのあるエンジンなので扱いやすいし、街乗りでもストレスを感じない。
80点主義のピュアスポーツカーなのである。
だからこそ、長きにわたって生産され続けている。
もうひとつ
二代目の試乗の時だっただろうか、天気が悪く、試乗途中で雨が降りだした。
私と嫁さんは路肩にクルマを止めるとおっかなびっくり幌をかけた。
こんな操作もスポーツカーならでは、楽しいではないか。
嫌なら、レクサスでもミニバンでもエアコンかけて乗っていればいい。