成人式の思い出

私の成人式などはるか昔のことになってしまった。
私の住む市では年度でなく生まれ年が対象となる。
したがって早生まれの私はいっこ下の人たちと合同になる。
さらに、私は転居したうえ中学から私学に行ったため地元の友人が皆無。
おめかしして行っても誰とも話さずに帰ることになるのは明らか。
というわけで1月15日もバイトを1日入れていた。
お昼くらいになって、社長が私を呼び止めて
「君は今日成人式じゃなかったかな」という。
「そうですけど、行きません」と言うと
「休み時間を延長してあげるから行ってきなさい。
バイトをしていて成人式にいけないなどと言われると私も社長として嫌だ」
というわけで、バイト先を追い出されてしぶしぶ市民会館に原付で向かう。
革ジャンのまま受付ではがきを出すと記念品と交換。
大ホールに入ると誰かが難しい話をしていた。
5分で会場を出てそのままバイト先に戻る。
社長室へ行き「ただいま戻りました。これが証拠です」
と記念品の箱を見せる。
「随分早かったな。とりあえずおめでとう」
この日、おめでとうと言われたのはこの時だけ。
夜の9時までしっかりバイトした。