逮捕容疑は2010年11月ごろ、人の体や髪の毛を溶かす成分を含んだ薬剤を大量に
購入して遺体の損壊や遺棄した疑い。というニュース。
アメリカの大ヒットドラマのCSIやBONESでたまに出てくるネタだな。
ちょっと化学の知識がある人なら強塩基を疑うのが普通。
人間の身体はタンパク質や脂肪でできている。
サンポールなどの酸性洗剤を想像した人がいるようだが溶かすというのには当たらない。
パイプクリーナーは排水管の髪の毛やどろどろの脂質を溶かすという。
この成分が強塩基。
一般的には水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが主成分。
脂質を鹸化(けんか)して水溶性の物質セッケンにするという反応。
タンパク質は塩基で簡単には分解しないはずだが、変性という形で反応するようだ。
変性の結果水溶性になったとすれば皮膚や肉もドロドロになる。
大戦中、ナチスが強塩基でユダヤ人を処置したという。
燃えよドラゴンなど、アクション映画でもギャング組織が強塩基に死体を浸けるシーンがある。
ただし、この反応は穏やかで時間がかかる。
もちろん場所もとる。
が、化学処理なので死体からの腐敗臭は防げるか。
反応を効率よくすすめるためには血液などの液体成分はあらかじめ出しておくべきか。
などなど、余計な心配を妄想してしまった。
もう一つ
腐敗菌が繁殖しないような一定の条件下で死体を置いておくと、ミイラとは違う死蝋(しろう)
という状態になる。
何らかの反応で死体の脂質が鹸化してチーズのような状態になるのを指す。
これは一種のロウなのでよく燃える。らしい。
そこまで反応が進めばあとは燃やしてオシマイである。
ああ、またまた良からぬことを妄想してしまった。