ホンダのいい時代1300とZ

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一台は1300クーペ。
本田技研工業が小型車市場に本格的に初進出した車種であり、
前輪駆動や空冷エンジン、全輪独立懸架など、独創的な技術が盛り込まれていた。
ホンダがホンダらしいクルマを作ればこうなる、という見本。
なにからなにまでとんがっていた。
小型車進出でもっとももめたのが空冷エンジンだそうで。
宗一郎は空冷にこだわったという。
資料をみると水冷のような空気の通り道を作って空冷するという凝ったつくり。
空冷にこだわればこそなのだが結局エンジンは重くなり冷却も十分ではなく
エンジンブロックも大きくなった。
さらにFFということでフロントが極端にヘビーになり運動性能もかなり癖があったという。
ホンダがいうスポーツとはかい離していった。
失敗作という人が多い。
もともとの生産台数が少ない上、エンジンやオイルタンクにアルミ合金が多用されていたことから、
金属回収業者によって積極的に潰されており、現存数は非常に少ない。
ここまで来ると、かえって愛着がわくよね。
何から何まで不利なことをごり押ししてしまうというのがホンダらしい。
本田宗一郎はこのクルマの失敗と批判でこれ以降乗用車の設計に口を出さなくなったという。
もう一つ、ホンダZだ。
このクルマは私が免許を取るころにもぼろぼろの中古車がたまに走っていたっけ。
360のクルマでもここまでとんがった形にできるという見本である。
バブル以降にZはリメイクされたが、コンセプトが全く違うRVでファンをがっかりさせた。ホンダのいい時代1300とZ