三菱ミニカと三菱360

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この写真のクルマは私の幼少期の思い出そのものである。
小学校に入りたて程度の時期なのであやふやな記憶だが。
父が我が家もマイカーだ、とある日クルマに乗って帰ってきた。
3.4.4畳風呂無しの社宅に親子4人で住んでいた。
間違いなく裕福ではない。
そんな我家にマイカーである。
社宅の空き地にあったのは(当時はまだ駐車場などなかった)三菱360の軽バン。
多分社用車を安く払い下げてもらったのだろう。
それまでも、父は子供の私らを定期的に博物館や遊園地に連れてくれる優しい人だった。
マイカーが来たからにはいろいろなところへドライブしてくれた。
マイカーとは素晴らしい。三菱360は教えてくれた。
一番の思い出は長野の祖父母の家へ行ったとき。
家族を乗せて碓氷峠を登るにもだいぶつらそう。
空冷エンジン17馬力は峠道はきつい。
それでも長野までの200キロを7時間以上かけてなんとか到着。
今度は婆さんをつれて浅間山の中腹へキノコ狩りへ行こうと走りだす。
10%の登り坂が続くとクルマは動かなくなる。
空冷の辛いところだ。
私もそれから十数年後に原付バイクで同じ坂を登って途中で動かなくなった経験をした。
1960年代は新車の開発で箱根越えがテスト項目だったと聞いたことがある。
ミニカや360は61年から69年まで生産されたまさに60年代を象徴するクルマの一つだ。
なんとミニカは乗用車が2007年まで、バンが2011年まで、半世紀にわたって生産されたそうだ。
軽自動車で同一車名としては最も長いそうである。