鉄道の街『吉松』

肥薩線吉松駅は開業当時は熊本宮崎鹿児島県境の基地として
宮崎方面への乗換駅として九州北部、本州と九州南部を結ぶ鉄道の要衝であった。
戦後に鹿児島本線が海側ルートになり一気にローカル色が強くなっていったとある。
今は駅の周りもひっそりしていて往時を見るところはない。
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それでも駅の周りには鉄道に関わるいろいろなモニュメントや施設が点在する。
まず目に止まったのが蒸気機関車の保存。
C55というのがおしゃれである。
C57を貴婦人と言って持ち上げられているがそれを言うならC55だとつねづね思っている。
基本的な設計やサイズなどはほぼ同等。
C57はC55のマイナーチェンジといっても良い。
その分性能や製造効率が向上して傑作機関車となった。
C55はそのベースとなったわけだが何より良いのがこのスポーク動輪である。
大正期からのこの美しい動輪、大型機ではC55、小型機では同時期作られたC12C56が最後である。
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その近くにはこじんまりした博物館。
パネルだけの説明文と写真、一角にはどこかの家の押し入れからもらってきたような鉄道模型
この模型が肥薩線とは何の関係もない車両というのが笑えた。
その隣は便乗で作ったと思われるおみやげと軽食『ぽっぽ亭』。
店内は何のひねりもない感じ。
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駅前からは霧島連山が望める。
駅から歩いて数分のところに知る人ぞ知る有名なまんじゅう屋『みやした』がある。
名物汽笛まんじゅうだと言うのだが、その名物は店主夫婦の鉄分にある。
建物左側の厨房は客車を模したもの。
店内の半分は店主の趣味のSLの写真や資料が張り巡らしてある。
この日は奥さんが店にいてずっとおしゃべりしてくれた。
80歳と想われる。耳が遠いくらいで元気である。
奥さんの親兄弟も鉄道マン、吉松が鉄道の街として反映した頃を昨日のことのように話してくれた。
鉄道関係の資料の脇にテレビ取材などの切り抜きなどが飾ってある。
一番新しそうだったのはテレ朝系のナニコレ珍百景の景品だった。
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