九州豪雨

0712衛星
毎年のことではあるのだが7月のこの時期は梅雨末期の豪雨被害が出やすい。
梅雨というのは太平洋高気圧とオホーツク海高気圧の温度が違う湿った空気によってもたらされる。
梅雨明けというのはオホーツク海高気圧が弱まり太平洋高気圧が前線を押し上げること。
したがって、梅雨明け直前のこの時期強くなった太平洋高気圧から大量の湿った空気が送り込まれる。
湿った空気はそのままの温度であれば露点に達することなく人々に不快指数だけをくれるわけだが
前線があると冷たい空気に接するため湿った空気は一気に液体に変化してしまう。
特に強い湿った空気の流れを湿舌という。
この衛星画像ではまさに熊本県に向かって点々と白い雲が流れているのがわかる。
白さが強いほど強い積乱雲であることを示している。
この気象現象で最も有名なのが「昭和57年7月豪雨」もしくは「7.23長崎大水害」である。
時間雨量が23日午後8時までの1時間に111.5mm、同9時までに102mm、
同10時までに99.5mmと、3時間連続で100mm前後の猛烈な雨となり
死者行方不明者299人という大惨事になった。
その翌年には同じ時期に山陰地方で豪雨被害。
7月20日から21日にかけて、低気圧が日本海を進んで梅雨前線の活動が活発となり大雨となった。
特に島根県西部の浜田では、1時間降水量91.0mm(23日)、日降水量331.5mm(23日)を観測するなど
記録的な大雨となり、100名を超える死者・行方不明者が出た。