がんばれ働く母親其ノ二

先ほど証券会社から債券を買わないかというお誘いの電話。
馴染みの証券マン、いやいや、証券ウーマンである。
歳は60歳ぐらいか。私のおふくろという年齢ではないが立派なオバハンである。
こちらはお金がないのでいつもお断りするのだが、そのあといつも雑談になる。
初めて話した頃は長男が高校に進学するなんて話題だったが
次男も就職した、と聞いたのも数年前になる。
ご子息は高校の教員になったとのこと。
最初はよかったと喜んでいたのだけど、最近の電話はそうでもない。
毎晩遅く帰宅して元気が無い。というのだ。
まんざら知らない業界でもないので、こんな苦労があるのではないかと話す。
ポイントなのはここから。
そういう話を息子から聞けないのだという。
何を苦しんでいるのかわからなくて心配なのだそうだ。
普通の母親なら『どうしたの』としつこく聞いて煙たがられるのだがこのオバハンは違う。
自分も証券ウーマンとして長く働き毎晩遅く帰宅する立場だったから。
仕事がきつくても話したくないという気持ちがわかるのだろうか。
仕事の悩みは家族ではなかなか解決できないと解かっているからなのか。
優しさと哀しさがわかる雑談であった。
子供が独り立ちしたからと、すべてが安心というわけではないのが親心。
がんばれ働く母親。