昭和のクルマ、CRX

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1988年の記事より。
ぱっと見た感じはシビックだよね。
後ろから見て、ああクーペボデイかとわかるけど。
この時代は運転席までみんな同じで後ろの処理をセダンにするかクーペにするかで
スポーツかセダンかを勝手に決めていた。
もともとクルマなんてカッコが全てだから中身が同じでもかまわないわけで。
このCRXはちょっとだけ変わっていた。
たしかシビックよりホイールベースを短くしていたと思う。
室内の広さもミニマムでありあえてセダンとの差別化をはかった。
おかげでハンドリングは軽快そのもの。
その上、コーナーでハンドルを切り始めたところでブレーキングしてやると簡単にリアが流れる。
多くの評論家は危険と書き立てたが、ある程度の腕がある人にはこれは面白い。
この当時のFFは大なり小なりタックインが出やすかったので目くじら立てることはない。
私が試乗したのは街中だったが、ちょっとしたコーナーや交差点を曲がるときでも
シフトダウンしてちょいとエンブレかけてやるとすっと曲がってくれて面白い。
その代償として、ロールは抑えられていたがピッチが強く出て
サスのストローク不足もあってか段差などで挙動が極端に変わる。
カーブの途中のマンホールを超えるときにラインが変わってしまう。
この、ある意味デリケートさ、ある意味雑な乗り心地がこのクルマのキュートなところである。
オマージュとも言えるCRZに試乗した時は期待を裏切り高級セダンに乗っているようだった。