神様のカルテ 2 夏川草介

一作目は甘々の話ばかりで途中から読むのが辛くなった。
というわけであまり期待していなかったのだが。
よかった。
風景や情景の書き方が洗練されて読みやすくなる。
キャラの設定が自然で歯の浮くような発言がすくなくなった。
医療現場の過酷さが鮮明に書かれている。(フィクションなのか??)
とは言っても甘々の設定も健在。これを売りにするのもアリかな。
例えば
登場人物が全員いい人である。山田洋次の脚本のようだ。
出てくる女性が全員よくできた魅力的な人ばかりだ。
救急医療機関の過酷さをよく描いているが、描くほどどこかで見たドラマとかぶる。
最後に中心的な医師が倒れてしまうのもかぶってしまっている。
(本作では救急医の話ではないが)
それでも
信州松本周辺の自然をそこかしこに取り入れて風景が脳裏で鮮明に浮かぶ。
松本を知る私には懐かしく感じる所も評価を上げている一因。
どろどろしない爽やか(すぎる)話は映像化しやすいな、と嫁さんと話していたが
別のサイトで映画化が決定していることを知った。