震災と住宅そのニ、鉄骨構造

松下系列の住宅メーカーで話を聞いた。
以前に私が知ったときは鉄骨ユニット工法だった。
工場である程度作った箱をトラックで運んで現場で積み上げて接合する。
工場である程度つくるので精度が高く強度も出しやすい。
さらに工期もかなり短くてすむ。
ところがユニットには規格があって間取りなどに制限があって注文住宅としては…。
ところがいつからかは聞かなかったが普通の軽量鉄骨軸組に変えたそうだ。
さらに二階の床に旭化成ALCを使うなど大幅な変更があったのには驚いた。
特に軽量鉄骨でありながら筋交いがずいぶんごついものになっている。
先入観では太いワイヤーをバッテンにするものだと思っていた。
が、引っ張りにも圧縮にも強い筋交いにしたという。
「鉄骨構造は免震でいなすような構造ではないのか」の質問に対して
「いえいえ、特に軽量鉄骨はそういうわけには行かない。
針金でもわかるように曲げに対して変形するのが鉄の性質。
曲がったら元には戻らない。だから強い箱にする必要がある。」と回答。
そういえば今回の震災で近所の二階建ての住宅や保育園の壁に損傷が見られた。
どちらも鉄骨構造、築数年の新しい大きめのおうちである。
角の外壁(サイディング)が割れていた。
建物自体に問題は無さそうだが、新しいのに壁が割れているのは見栄えが悪い。
今回の鉄骨構造の基本的な考え方を教わって謎が解けた気がした。
鉄骨構造は強固に作らないと建物が歪むそうである。