今さら『もしドラ』を読む

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
を読んで…
ベストセラーゆえ多くの読書家が批評しているので
何を今さらという感じのレビューである。
わかりやすく、という思いが強すぎたのか
かなり稚拙なストーリーと文体になってしまった。
理由は簡単だった。
作者のバックボーンである。
まず、秋元康の存在。
彼の発想は男心をくすぐるのである。
もともとおニャン子、AKBというような美少女系の専門家。
ストーリーの中核、表紙に至るまでその路線が貫かれている。
もうひとつはもともとテレビ、バラエティ系の人。
ドラッカーなどと難しいものをバラエティの再現VTRのごとく
わかり易すぎるくらいのストーリーと文体で表現。
わかり易すぎるくらいというよりわざとらしいというべきか。
マネジメントの一節がすっぽり収まるようにストーリーを組み立てている。
大切な仲間が死んでしまうが最後はハッピーエンドというわかりやすさ。
映画化されるそうだがなんとも映像化しやすい話であるわけだ。
一昔前に流行った難しい法律を簡単に理解しようという番組の
再現VTRと同じ作り方でよい。
それでもドラッカーを世に知らしめたという功績で星をひとつ増やそう。
ちなみに私は知らなかった。