忠犬ハチ公 死因がんの可能性

大学や研究機関では昔から資金難との戦いである。
研究には金があればあるだけ良い。
20年近く前のことである。
私の母校であり勤めていた大学で私の恩師の教授がずっと予算請求していた
分析の機械がようやく予算が通って学内に設置できることになる。
当時、微量分析のトップクラスの精度がありセットで一千万以上。
大きさも60年代のコンピューターほどあった。
(この比喩もわかりにくいか、私も60年代のコンピューターなど見たことはない)
おまけにドイツ製ということで説明書もプリントアウトされたデータもゼンゼン読めない。
まあ、データは元素記号と数値なので読むのに苦労はしなかったが。
私は週3回半日はこの部屋で過ごすことになる。
この分析器の精度はすごくて複数の元素を千分の一%まで分析できた。
プールに溶けた角砂糖を検出できるレベル。
警察の鑑識(CSI)やドーピングで利用されているという機械であった。
教授はそれまでのビュレットや比色、原子吸光よりもさらに精密な分析ができると喜んでいた。
ところが、こういう機会は何十年に一度のこと。
後はひたすら今ある機器で我慢の研究だ。
ここでポイントなのがマスコミに取り上げてもらうこと。
ニュースや話題になれば大学の体面も保たれる。
ということで、別にハチ公の死因などどうでもいいことなのだが
研究費獲得のためこのようなニュースになったと推察した。