デジカメについて考える、その三

ポイント3 レンズ
> また、APS-Cなる規格も、カタログに35mm換算値という意味の判らない表現
を理解されたということだが、この辺からアプローチしてみよう。
APS-Cとは、間違っていなければフィルム時代に35mmフィルムを小型にして
さらにフィルムをカセットタイプにして、小型化を推進しようという動きがあった。
これはフィルムの微粒子化が大きい。
ところがデジカメの出現でフィルムカメラ自体が消え物となってしまった。
デジタルの画像素子は大きさだけでなく密度が大事。
画像素子自体を大きくすれば高画質化ができそうなものだが、そのユニットや
回路、動的部分が大きくなってしまいデジカメの良さが今ひとつ発揮できない。
さらに、10年前では35mmの画像素子に見合うエンジンやメモリが出来ていないため実用的ではなかった。
そこで、見出されたのがAPS-Cという規格。
画像素子周りをコンパクトにできる上、その規格の製品があったから光学系も設計しやすい。
というわけでデジイチの標準となったわけだ。
光を受け取るフィルムもしくは画像素子が小さいほど光学系をコンパクトにできる。
つまり同じ大きさで撮影するのに焦点距離もコンパクトになる。
ところが一眼レフカメラは長いこと35mmフィルムを基準に進化してきたので
50mmを標準(人の目の視界に近い画角)として、広角望遠があった。
ところがデジタル時代になるとカメラによって画像素子のサイズが違うので
表示と望遠広角の感覚がずれてしまう。
そこで書かれていたように35mm換算という表示になったわけ。
APS-Cと35mmの大きさの比が換算値になる。
さて、前置きが長くなったが、デジカメのレンズはそういう経緯があって設計される。
アルファにとてもEOSにしてもマウント自体は同じなのだがあくまでも同じだけで
時代やカメラの性能が進化すれば設計が違っている。
前にも書いたようにデジカメは高いAF精度が要求される。
アナログ時代のレンズの設計では厳しい物が多い。
というわけで、デジイチの本体とレンズは一つのものと考えるべき。
デジイチの本体のモデルチェンジと同時にレンズのモデルチェンジがあった時が
システムのモデルチェンジがあったとき。
つまり、劇的に進化するタイミングである。
私の知り合いの写真屋さんはカメラ本体とレンズ一式を全て下取りにだしてシステムを刷新すると言っていた。
たしかに20年前に苦労して購入した200mm2.8のレンズよりも、
付録で付いてきた200mm5.6のプラスチックのズームレンズの方が綺麗に撮れる。
デジタル時代は節操がないなあ。