物質量と温暖化

化学の世界では物質量をmolという単位で表す。
もともとは原子や分子を数える目的のもの。
アボガドロが6.0×10の23乗の個数を1molと決定した。
本来原子の質量は質量数12の炭素を12と基準を決めた『相対質量』で表す。
普段使うgやkgでは数値が小さすぎて表しにくいからだ。
ところがmolを使うと1molが原子量や分子量の数値のgで表されるので都合が良い。
水素分子と酸素分子は2:1で反応して水分子が2分子できる。
これをmolを使うと水素2molと酸素1molで水2molできると言える。
質量で表すときも水素は分子量2、酸素は32なので
水素2mol、4gと酸素1mol、32gで水2mol、36gできることになる。
水はH2Oなので分子量は18。2molなら36gなのでつじつまが合う。
メタンCH4が燃焼するとき、メタンと酸素は1:2で反応する。
この時できるCO2とH2Oも1:2である。
例えばメタン32gが燃焼したとすると、メタンの分子量は16なので2mol、
メタン:酸素:二酸化炭素:水は1:2:1:2になるので
それぞれ2:4:2:4 molになる。
したがって結合する酸素は4molだから32×4で128g
発生するCO2は2×44で88g、H2Oは4×18で72gということになる。

ちなみに油脂を燃やしてみよう。
我が家のキッチンにある貰い物のサラダ油にリノール酸と書いてある。
リノール酸はC17H31COOHである。
油脂はこの酸三分子とグリセリンのエステルなので
Cの個数は三分子の18×3とグリセリンの3で合計57になる。
この油脂1mol、分子量約880つまり880gを燃やすと二酸化炭素
44×57で2500gになる。
油脂1molを燃焼するとCO2は2.5kgも発生する。
道理で大気中の二酸化炭素濃度は高くなるわけである。