鬼首発電所の水蒸気噴出遺体発見

自然からみれば人間をみればちっぽけなものである。
地熱の水蒸気で人ひとり吹っ飛ばすなんてことは簡単なようだ。
自然の熱の力で思い出すのが雲仙普賢岳の大火砕流事件だろう。
多くの人をあっという間に飲み込んだ。
映像に残っているものとしては最大だろうな。
それ以前では、浅間山天明の大噴火、明治の磐梯山が挙げられる。
いっぺんにエネルギーを放出すればこのような大惨事になるのだが
実際の地熱発電所は意外に地味だ。
箱根などの地獄谷と呼ばれるところに行くと熱い蒸気が吹き上がる。
ところがこれらの蒸気はせいぜい150度程度だそうだ。
温泉に浸かるには40度ちょっとあればいいわけで100度以上ならなんの問題もない。
ところがこれを発電などのエネルギー源として使うとなると難しい。
人間にとっては吹っ飛ばすくらいの強い力でもエネルギーとしてはたいしたことない。
実際の蒸気の温度を調べてみると
蒸気機関車で350度、最新の火力発電所で600度だそうである。
最新の火力発電では熱効率が40%を超えるからすごい。
蒸気機関車で10%を超える程度、ガソリンエンジンで35%程度だからすごい効率である。
それから考えると地熱発電は100度ちょっとである。
無料で得られる熱源であるから文句は言えないがそれにしても弱い。
大きな施設を作っても元が取れるかどうかビミョーである。
ちょっと前に風力発電のあやういさを書いたがこちらも似たようなもの。
自然エネルギーを利用するというのは口でいうのはたやすいが
実用化するにはかくも難しいものなのである。
写真は実際に見てきた鳴子鬼首発電所
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