働く人々、羽田空港編

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羽田空港は飛行機の利用以外にも飛行機を見るだけにも訪れる。
あれだけの巨大空港を動かすためにどれだけの人が働いているのだろうか。
売店やカウンター、案内、清掃、飛行機の周囲で動いている人は目視できるが。
8月某日の暑い日、羽田の展望デッキにいた。
望遠レンズで撮影に夢中になる。
一段落して嫁さんとおちあいモノレールの駅に向かおうとしたとき
「腰のタオルは??」と言われる。
あれっ、落としたみたいだ。
旅館のペラペラのタオルならそのまま立ち去るところだが
今回はお気に入りのキティちゃんのピンクのタオルである。
とは言っても買っても200円くらいの安物であるが。
とりあえずモノレール入り口にある案内とモノレールの駅員に落とし物はないかと
問い合わせしたがその時点ではないとの回答。
拾得物部署の連絡先を書いてある小さな紙をもらってモノレールに乗る。
翌週、羽田を使って旅行にいく。
思いついて案内の人にこの話をするとパソコン画面を見ている。
日付や色を確認されると「届いている」という。
それでは返してくれというと、担当部署は向こうのターミナルの隅っこだという。
ここからの往復時間を考えると飛行機に間に合わない。
羽田の帰着のときに返してもらうことにする。
数日後夕方羽田に到着。
京急の駅の脇にある抜け道を使って反対側のターミナルへ。
動く歩道があってそんなに大変ではない。
羽田ではこの時間帯はラッシュ時であるのだがこの連絡通路は嘘のように静かだ。
数人すれちがっただけだ。
そして第一ターミナルの奥の方に拾得物部署がある。
地下階を突き当りまで行くと関係者専用と思われる鉄の扉。
そこを開けて入っていくとまたまた長い廊下。
空港職員と思われる人が行き来している。
乗客の私たちを見ても特にどうこうない。
そしてビルの隅っこ、廊下の突き当たりのガラス窓からは湾岸道路の景色が見える。
拾得物の看板発見。
入ると小さな部屋。
事務机6個ほどに職員が座り全員が電話応対。
私が前日に確認した拾得物No.を告げると懐かしいキティちゃんのタオルが出てきた。
お決まりの本人確認等をして数分で手続き完了。
担当者に「この大きな空港にどれだけの落とし物があるのですか」と質問すると
「数えたこともない」とそっけない返事。とにかくすごい量らしい。
こんな小さな汗ふきタオルまでナンバーをつけて保管してくれるのだから膨大な作業なんだろうな。
最近、街でも学校でもものを落としてもさっさとあきらめて探さない人が多い。
落とさないのが一番だが、もし落としてしまったら面倒でも探して返してもらおう。
こうやって落とし物を懸命に処理してくれている人がいるのだから。
というわけて色あせたお気に入りのキティちゃんのタオルはまた私のバッグの中で活躍している。