私はミニバンが嫌いだ。重くていつも空気とイスを運んでいるだけ。
その人気車種エルグランドがFMC(フルモデルチェンジ)。
今回からいよいよFF化した。
思えば10年ちょっと前に人気のエステマがFMC。
天才タマゴと言われたミッドシップレイアウトを捨ててFF化した。
世間ではこれが意外に不評。
エステマの良さ、オリジナリティがなくなると言われた。
ちょうどミニバンを物色していた私はエステマとオデッセイを乗り比べていた。
オデッセイもFMCしてそれまでのアコードのシャーシから離脱してオリジナルの車種となった。
もともと乗用車ベースのオデッセイの方が走りが良いと言われた。
エステマはスタイルやミッドシップレイアウトに結構無理がたたり車重があって運動性がイマイチ。
スーパーチャージャーモデルもたいした動力性能ではなかった。
ところがFFになった途端ハンドリングが良くなった。
ボディ剛性はイマイチにも感じたがそれは両側スライドドアのせい。
実際のボディはよく出来ていた。
車重もFF化の恩恵で軽くなってミッドシップと変わらない乗り心地、運動性だった。
そして今年いよいよエルグランドがFFになったわけ。
と、ここでボディ剛性やハンドリングを評価するのは野暮というもの。
エルグランドを購入する層はそんなことはどうでもいいのである。
見栄えと装備が大事だ。
日産はそういうお得意様をじゃけんにはしない。
ちょっと車高が下がったようだが、その分ワイドな感じ、メッキパーツも派手。
車内はオットマンが装備されてますます快適に…。
エンジンはパワーのない2.5Lが売れ筋。
看板エンジンのVQ35は素晴らしいエンジンだがこんなバスに載せるべきエンジンではない。
たいていは見てくれと装備が優先なので2.5Lを選択するそうだ。
それでいいのである。
エルグランドやアルファードを購入する人たちが今の日本の代表である。
2トン以上あるイスがたくさんついているクルマでガソリンをばらまきながら走るのが主流だ。
高速千円よりもひとまわり小さいクルマを買ったほうがはるかに家計には優しいのだが
そんな難しい計算はできないのが今の日本の主流なのである。
そんな人が国の中枢にもいるものだから国家予算はいつも足りなくなって赤字、借金である。
これがエルグランドが売れそうなわけである。