熊本水俣を歩く、その2、水俣病情報館

駅を通りすぎて海側に進路をとる。
公園を左に見ながら目的地の「水俣病情報館」
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HPでは入館無料。
私ら以外に客はいなかった。
市立とあるが綺麗な立派な建物。
ポイントは、展示はほとんど写真と文字のパネルである。
病気の資料館であるから仕方がない。
ここでのポイントは
水俣病の発生から原因究明まで丁寧に説明されている。
また、被害者の声が多く書かれている。
特に有機水銀胎盤を通って胎児にまで発症させたというところは
丁寧に説明されていた。
ところが、どれだけ悲惨かを伝える割には、悲惨をしめす写真などが少ない。
また、加害者や原因がはっきりしているのにその辺の責任問題や
補償問題についてはほとんど触れられていない。
さらに、館内の一角にはチッソが高度成長時代を牽引したとか
チッソの製品が日本中で使われているといったチッソのCM。
企業城下町水俣ならではである。
この資料館が市立というのとリンクしている。
資料館の隣に県立環境センター。
近隣の緑地やスポーツ施設と並んで箱物が点在する。
資料館を出たときには公害病ではなく天災のような錯覚を覚えた。

話はそれるがチッソという会社は現在でも操業しているようだ。
あれだけの問題を起こして、あれだけの命を奪ったにもかかわらず
なぜか潰れていない。
資金や補償などのいきさつは知らないのだが、素人考えでは不思議だ。
展示にもチッソ社内のネコを使った実験で早期に原因が
わかっていたにも関わらず12年も対策を怠っていたとある。
なのに資料館にはチッソのCMまである。
企業城下町…の本当の意味がわからないと水俣病を理解したことにはならない。
綺麗な建物の眼下には美しい八代海(不知火海)が広がっていた。
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