蒸気機関車

私が小学生の頃に国鉄の線路から蒸気機関車が消えた。
それはたしか昭和40年代の鉄道100年の記念イベントの裏番組だった。
ラストランは北海道だったと記憶している。
子供だった私は写真でしかラストランを知ることはできなかった。
その数年前まで本州でもSLを見ることができた。
私の田舎の小諸では高原ポニーで有名なC56が見られた。
小諸駅構内の懐古園よりに転車台があってC56が向きを変えていた。
もともとC56はローカル線運用を目的に作られたため転車台がなくても
逆走運転が可能なようにタンクの両側が切り取られている。
それがC56の外観の特徴にもなっている。
小諸駅構内でスイッチバックして貨車を付け替えたり、転車したりと
SLマニアにはけっこうたまらない風景。
その上、スタート、ストップの時に短く汽笛を鳴らすのが良い。
運転手さんが唯一のギャラリーの小学生の私の前で白い蒸気をシューッと噴出すサービス。
石炭の香り、線路と動輪が軋む音…
週末に後輩の家に行ったとき、3歳の子どもが私にプラレールの機関車を見せる。
C56である。先程のなつかしい思い出がよみがえる。
この子供の入門はきかんしゃトーマスだったそうだが、先日NHK放送のC57のDVDを
見せたところ、本物の蒸気機関車がよくなったようだ。
しかしながら、東京近郊に住んでいるとなかなかSLを見る、見せる機会は少ない。
1歳の弟がいるため親もなかなか遠くまで連れ出せなない。
こういう小さなファンにJRは冷たいのである。