尼崎鉄道事故、慰霊式、社員死亡

二日前のニュースであるが今さらながらポイントを整理してみた。
事件そのものは、事件性のあるものではない。
が、そこに至るまでのドラマを想像してしまった。
これはまさしく山崎豊子沈まぬ太陽御巣鷹山編」である。
遺族のお世話係になって苦悩する主人公である。
現実の日航機事故でも直接原因ではないにしろ社員も体調を崩した人も多かろう。
もともと客のクレームを受ける部署なんていうのはそれなりに心労も多い。
特に人身事故の後始末をする担当社員は感情的になっている遺族と接するわけで
考えただけでもぞっとする。
小説では山崎豊子は丁寧に描いているのでぜひ読んでいただきたい。
事故を起こした会社の社員であるから、責任の一端があるといえばあるわけだが
だからといって遺族の感情をすべて受け止めろと言うのは酷な話だ。
持病があるなしに関わらず体調を崩すのは目にみえている。
なのにである。
この記事のブログやコメントを見ていると
「タタリだ」とか「殺人JRは死んで当然」のような書き込みが目立った。
本物の遺族がJRに反感を持っているからとしてもこんな感情を持ったりや書き込みをするか。
私が思うに、10代から20代の比較的元気な人達であろう。
多分、家庭的に恵まれず愛情不足で育ったのであろう。
かくいう私ももし10代だったなら、若気の至りでこのくらいの事を思ったり書いたりしたかもしれない。
今の時代は他人の痛みを感じなくなっている人たちが増えている。
事故遺族の担当になってもがき苦しんで死んでいった社員の痛みがわからないのか。
少なくとも30歳になるまでには大抵はわかるようになるのだと思う。
今日のニュースで「泣き止まない赤ん坊の腹を…」という男が逮捕されている。
聖人君子になれとは言わないが、あまりにも幼いコメントを多く目にしたもので
今さらながらであるが一文書いた次第。