台風18号と電車を止めた4年前の羽越線事故

4年前の脱線事故当日、私は羽越線いなほに乗車した。
−−−−−−−−−
冬の日本海が見たかった。
強い季節風が吹きつける海が見たかった。
ついでに冷えた身体を暖める温泉に入りたかった。
JRのHP「ありがとう新潟」から村上の瀬波温泉の宿泊プランを予約した。
3日前に大雪による大停電があったばかり。ちょっと不安を残しての出発がクリスマスの朝25日だった。
新潟駅で途中下車、昨夜までの雪で駅前の通りも着雪していた。
昼食をとり新潟発12:34いなほ5号にのり村上駅に着いた。
写真はその時新潟駅で当該車両を撮影したもの。
この数時間後に脱線転覆することになる。

その夜、宿で脱線転覆事故をテレビのテロップで知ることになる。
私が乗った車両は秋田行きで秋田着16:15、問題の新潟行きいなほ14号は秋田発16:34、
ホームが3番線で共通していることから折り返しと考えられる。
もしそうであれば脱線5時間前まで車両に乗っていた事になる。
翌日、村上市内観光をキャンセルして駅に向かいダイヤの乱れを確認して直近に発車する新潟行きにのることにした。
各駅停車の115系だったので先頭車両でしばらく運転席を眺めていた。
昨夜からの強風はやまず(テレビでの救出作業を見ていてもわかるとおり)車両は強い西風にあおられながら走っていく。
何カ所かの橋梁をわたるときはさすがに緊張した。

めまぐるしく変わる空の色や降ってくる雨、雪、あられ。
鳴り響く冬の雷、強風と予想以上に厳しい冬の日本海だった。
−−−−−−−−−
というわけでこの事故以来、JRは運転を止める基準の風速をそれまでの25〜30m/sを
15〜20m/sに引き下げた。
だからちょっとした強風でも列車を止めてしまうのである。
安全のため止めるのは仕方ないにしても駅で止めろよ!といいたい。