御巣鷹山(JAL123)事故、疑惑

1985年(昭和60年)8月12日B747SR大阪行きが墜落した。
520人が死亡するという大惨事であった。
私は当日長野県の母親の実家にいた。
TVを見ていると画面が変わりJAL123便が行方不明の一報。
しばらくすると長野県北相木村山中に…となる。
ここからそれほど遠くない、と外に出てそちらの方角を見た記憶がある。
実際はその裏側の群馬県側に墜落したことを翌朝のTVで知ることとなる。
2年後に事故現場にお参りした。
とんでもない山奥であった。
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また今年も8月12日を迎える。
長野に住む私のいとこが「読んでみろよ」と貸してくれたのがこの本だ。
書かれたのは93年、事故後8年である。
この時点ではまだボイスレコーダーなどの公表がなされる前で
確かにいろいろな部分で疑心暗鬼だった頃である。
読み進めると、データの羅列と筆者自身の経験のみである。
この本自体は絶版になっている。
筆者自身もプロの作家とは言い難く、新聞等の引用ばかりが目立つ。
それだけに、できるだけ真実に忠実に描こうとしているのは好感。
ある程度、時間が経った今、改めて読むのには良いかもしれない。
当時の緊迫感が伝わってくる。
この本が言うところの疑惑は時間が経つにつれて解決した部分も多い。
それでも今なお解明されていない部分、解明されているにもかかわらず
周知されていない部分があることにも気づく。
事故から24年になるが、改めて総括するような書物や番組があっても良い。
お得意なCGを使って迷走飛行をする過程やルートなど現在の技術で
検証する番組があっても良いのではないか。
この事故を決して風化させてはいけないのである。