「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」

高校生の頃、「こころ」を読んで感動したのを覚えている。
「先生と遺書」は現国の教科書にも登場する。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
多感な時期にこういう本を読むのはいいことだ。
物事を深く考える喜びが味わえる。
どこかのアホは「自殺を美化するような内容は…」などと
声高らかに叫くのだろうか。
もともと文学とは決してきれいなものではなく
人間の奥底に潜むどろどろしたものを文字にしたものだ。
奥底にあるものだから文字で表すことに価値がある。
こうして仮想現実の中で学生時代に人が生きることの無情を学ぶ。
みんなが愛情に満たされ、お金に満たされ、健康だなんてあり得ない。
ところが今の社会の風潮を見ると「格差」「派遣切り」「医療問題」が
大問題だとマスコミがさらにあおる。
真面目に努力を続けた人間が報われるというのが理想である。
ところが、せっかく教育の平等があったのに努力せず
せっかく若いうちは頭が柔らかくいろいろな知識や技術を習得できたのに
せっかく就職した会社なのに、せっかく親切な上司が親身に指導してくれたのに
誰も分かってくれないなどとやめてしまったり。
今回の派遣切りと言われているのは就業人口6700万人のうち8万人、0.12%である。
先日の麻生のパフォーマンスの職安の面接でも「かっこいい仕事」などといい、
きついのはいやだ、汚いのはいやだ、と自己主張ばかりの失業者に
「本当に働こうとしている人か」と坂本総務政務官。
失業はしていなくとも収入が少なくて苦しむ商店や町工場もたくさんある。
経済状況の激変で割を食ってしまった彼らはかわいそうだと思うが
だから第三者が助けてやるという考え方は正しいと思わない。
また、今勉強に励んでいるこどもたちに対しても教育的でない。
その場だけの努力ではなく、10歳15歳からの努力の積み重ねが大切なのである。
もし、彼らに子供がいたとすればそう教えるべきだろう。