豪雨の栃木県鹿沼市道で、水死事件

娘が死んでしまった母親の心痛は察するにあまりある。
助けを求める電話を受けたときのショックはいかばかりか。
この母親がこのところマスコミに露出し心痛を語っている。
亡くなった女性の子供も出ていた。
同じように消防、警察の不手際を批判している。
まるで見殺しにしたかのように怒りを語っている。
家族が死んだ悲しみが怒りに変化している。
この事件のポイントを整理した。

1.消防の不手際
この3時間の間に119番は59件、
彼女の通報した時間帯10分間に10件の119番があったとのこと。
だから、見逃してしまったというのも無責任な話ではあるが
人のできることには限界がある。ミスもある。さらに、
地震や集中豪雨の様な局所的な短時間の災害に対しては
やはり限界があると思われる。

2.119番通報の集中
災害であるから一度に多くの人が…というのはわからなくもないが
不必要な119番がなかっただろうか。
救急車をタクシー代わりという話が問題になっている。
この辺の法や制度の改正も急がれるところ。

3.冠水、水没を予見できたか
クルマは便利な乗り物である。雨が降っても濡れない。
この女性は豪雨の中運転していたが、これは適正だったか。
立ち往生するということは、すでにその場にタイヤが隠れる
程度の水深があったと推測できる。
そんな水たまりに突っ込んでいったことには触れられていない。
多少の雪なら「平気平気」とクルマで出かけて立ち往生や
事故を起こす人が多いのと似ている。

4.豪雨の時の対処
大雨や大雪や台風の時、学校などでは基準を設けて休校などの
措置をとることになっている。
ところが、会社や役所にそういう規定はほとんど聞かない。
大人は自分で判断しろ、ということなのだろう。
だからといって休んだり遅刻をしたりすれば
いろいろと支障が出ることになるわけだが。
事故に遭う、命を落とすくらいなら休暇を取るべきだろう。
通り雨など1〜2時間のこと。休憩するくらいの余裕が欲しい。
命と引き替えられる仕事などあるわけがない。