システム障害の練馬区、通知表の学期末配布できず

6年ぐらい前だろうか。
私の事業所に通達があり、取引先の役所がオンライン化するので
こちらの事業所のシステムも役所に合わせる、という。
そのマニュアルなどを読んでいて、気になったのが学校の成績管理システム。
最もドメスティックな情報である。
大抵の学校は自身のサーバを管理していて処理していた。
当然ネットワークも完全なローカルでネット接続していない。
外部からアクセスできないネットワークで職員が工夫しながらシステムを構築していた。
ところがである。
役所の鶴の一声で、役所のサーバとシステムをオンラインでつないで成績処理しようという。
アタリマエのことだが、一般的なインターネットとは隔離された回線だというのだけど。
私はその時役所で募集していた懸賞論文を書いていた。
そのテーマが『オンラインシステムの危険性』
どんなにセキュリティを強化しても、ネットワークを使う限り侵入される危険がある。
もともと学校内だけの成績処理のハズなのに、あえてオンラインで役所のサーバにデータを蓄積する意味がないし、リスクが増える。
役所のサーバ、システムがダウンした時、多くの学校が困惑する。
論文を書き上げて事業所の所長に提出のためのハンコを貰いに行ったら
「こんなものにハンコを押せるか」と突っ返された。
所長は前職でこのシステム推進の仕事をしていたそうで。
「君は何もわかっちゃいない。」
専門用語を並べていかに安全なネットワークであるか、
トラブルに強いシステムであるか、などを説明された。
「こんな幼稚な批判など受け入れられない。君にとっても恥になる。」
と言われて、論文は取り下げることになった。

オンラインの強みはどこでも情報の共有ができること。
銀行ではどこの支店でもATMでも入出金できる。
行政ではどこの支所でも住民票や印鑑証明が受け取れる。
ところが学校の成績はそういうたぐいの情報ではないのである。