あゝ青春、吉田拓郎

吉田拓郎の名曲は多々あるが、私の好きな曲の一つ。
先日もここで書いたが1975つま恋でもオープニングにチョイス。
その後の大きなコンサートでもオープニングに使われた。
拓郎も好きな曲なのだろう。
ところがである。
この曲は拓郎の作曲ではあるが彼のオリジナルのシングルではない。
オリジナルのアルバムにも収録されていたかどうか。
70年代前半、松田優作のテレビドラマの主題歌として書かれたもの。
作詞は阿久悠?だったか。
さらに演奏もトランザムというグループが。
つまり襟裳岬と同様セルフカバーという立ち位置なんだが。
一つ、から始まる数え歌がシュールで拓郎の作詞かと思っていた。
トランザムというグループもスタジオ・ミュージシャンの集まりのような感じ。
切れのあるアレンジと演奏をする。
拓郎はトランザムのアレンジのままコンサートで歌っていた。
さらに
歌詞に『青春』なんてワードが、さらに題名にまで、堂々と歌われるのは
70年代前期までではなかったか。
その後、あの青春ドラマのせいもあったが、『青春』という単語が
浮ついていてわざとらしいというような、マイナスのイメージがつくようになる。
そんな中で、あゝ青春とストレートに歌いきってしまうのが
さらにそれを全く普通に感じさせるのが吉田拓郎なのである。
いつの時代にも若者を熱狂させる音楽を作る若い才能がいくつも出てくるのだけど
殆どが映画やCMなどのタイアップで売れて、数曲のヒットで沈んでいくのがほとんど。
拓郎のような才能はそう簡単には出会えない。
あゝ青春、かあ。
青春とはなんだ」と若い奴らに叫びたくなった。
「何いってんだ、このオッサン」とスルーされるのがオチだが。